インフラエンジニアが在宅で働ける案件があるのか気になっている方向けに、リモートワークでもできる業務の内容を紹介。さらに、在宅で働ける案件の探し方と、必要なスキルも紹介します。
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最終更新日:2023年10月26日
プログラマカレッジ
キャリアアドバイザー 富永達彦
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1. インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなどシステムを利用するための環境を構築し、管理する仕事のことを指します。また、構築した環境が外部から攻撃されないよう、セキュリティの環境を整えるのもインフラエンジニアの仕事です。
インフラエンジニアには、オンプレミスとクラウドという2つの分類があります。オンプレミスとは、顧客企業や自社内にサーバーマシンを設置し、環境を構築する方法のことです。それに対してクラウドとは、コンピューター上からサービスを提供する事業者にアクセスし、インターネット上にインフラを構築するやり方を指します。
従来インフラエンジニアの仕事は在宅では難しく、出勤が必須とされていました。しかし最近では、インフラエンジニアも在宅で働けるような環境が整いつつあります。
2. インフラエンジニアの仕事が在宅で出来る理由
2-1. クラウドによるインフラ構築の普及
インフラエンジニアが在宅で働けるようになったもっとも大きな理由は、クラウドによるインフラ構築の普及です。
以前はオンプレミスでのインフラ構築が主流だったため、インフラエンジニアは現場でサーバーの配置やネットワークケーブルの接続をせざるを得ませんでした。しかしクラウドによるインフラ構築が普及したことで、インフラエンジニアが必ずしも現場にいなくてもインフラ構築を進められるようになりました。
2-2. セキュリティの向上
さらに、セキュリティが向上したこともインフラエンジニアが在宅で働けるようになった要因のひとつです。以前は、拠点同士を安全なネットワークで接続するためには、各拠点にルーターを設置し、VPNと呼ばれる方法で接続するのが一般的でした。専用ソフトによってVPNが簡単に使えるようになったため、自宅からでも安全に回線を利用できるようになりました。また、不正アクセスや改ざんを防ぐ技術が高まったことも、インフラエンジニアが自宅から働きやすくなった理由といえます。
2-3. 自宅のネット環境の発展
自宅のネット環境が発達したことも、インフラエンジニアの在宅勤務が増えた理由です。自宅のインターネット回線が弱いと、クラウドにアクセスできても各種の作業をするのに時間がかかってしまうことがあります。しかし、自宅のネット環境が発達したことで、自宅からでも無理なくインフラ構築の作業ができるようになりました。
インフラエンジニアの在宅勤務が可能となった背景には上記のようにさまざまな理由があります。
3. インフラエンジニアが在宅でできる仕事
3-1. ネットワークやサーバーの運用・保守・監視業務
ネットワークの運用・保守とは、構築したネットワークが問題なく動くような環境を維持することを指します。例えば、ネットワーク機器のアップデートや、定期的な機器の交換などを行います。
監視業務とは、ネットワークに異常が起きていないか確認する業務です。通常は、異常が起きると通知が送信されます。異常が起きた原因を調査し、問題を解決するのもインフラエンジニアの仕事です。
在宅で可能な部分も多くありますが、物理的な機器の交換や設置が発生した場合にはインフラエンジニアが現場に行かなければなりません。そのため、100%在宅で働き続けるのは難しいでしょう。
3-2. クラウド環境でのインフラ構築業務
クラウド環境を利用する場合、物理的なサーバーマシンやケーブルを利用しません。ブラウザ上の操作でインフラ環境を構築できるため、在宅でも仕事が可能です。
クラウド環境でのインフラ構築とは、事前に作成された設計に沿って、システムを使えるように設定などを変更し環境を整えることです。サーバー上で想定通りにシステムが稼働するよう設定を済ませるとともに、必要に応じてソフトウェアの導入も行います。
ブラウザからクラウドサーバーに誰でもアクセスできると便利ですが、セキュリティ上の問題もあります。そのため、クラウドサーバーにアクセスするためにはVPNと呼ばれる安全な通信を利用しなければなりません。VPNネットワークの構築も、インフラエンジニアの仕事のひとつです。
3-3. インフラコンサルや設計業務
インフラコンサルとは、クライアントが抱えているビジネス課題に対して、ITインフラを導入することでの解決を提案する仕事のことです。また設計業務とは、システムに必要なサーバーやネットワークの環境をどのような構造で作るべきか考える仕事のことを指します。
いずれの仕事も、クライアントや開発部門との会議や、資料の作成が主な業務です。そのため、オンライン会議ツールを使えば在宅でも仕事ができます。
ただし、各種資料には多くの機密事項が含まれます。そのため、セキュリティ上の理由からオンラインでの会議やメール・チャットツールを用いた資料の送付を禁止している企業があるのも事実です。そうした企業に向けて仕事を行う場合には、出勤が必要となるケースもあります。
3-4. 仮想サーバーの構築
仮想サーバーとは、1台のサーバーマシンに複数のサーバーを構築することを指します。仮想サーバーを利用するためには、サーバーマシンに仮想化ソフトを導入します。通常オンプレミスのサーバーは現場で直接サーバーマシンに触れなければ操作できません。しかし外部からオンプレミスのサーバーにアクセスできるよう設定しておけば、リモートで仮想サーバーを構築できます。
オンプレミスのサーバーに外部からアクセスするためには、管理用ネットワークの構築が必要です。自宅からVPNを通じて管理用ネットワークに接続すると、サーバーマシンにアクセスできます。管理用のネットワークやVPNの構築も、インフラエンジニアが行います。
仮想サーバーの構築だけであれば自宅からでも可能ですが、オンプレミスのマシン設置や仮想化ソフト導入のためには出勤が必要です。仮想サーバーを利用できるとしても、出勤なしで仕事ができるとは限らないため注意しましょう。
3-5. ネットワーク機器のサポート対応業務
ネットワーク機器のサポート対応業務とは、機器を導入した企業からの技術的な問い合わせに対応する仕事です。問い合わせはメールで届くことに加え、事前に設定しておけばクライアントの機器をリモートで操作することも可能なため、自宅からでも業務ができます。
製品サポートの際には、顧客が困っている状況をきちんと把握しなければなりません。ネットワーク機器自体に問題がなくても、一緒に使っているシステムとの兼ね合いでトラブルが起きることもあります。そのため、ネットワーク機器のサポート対応をするなら、システム開発のスキルも身につけておくと良いでしょう。
3-6. 障害対応受付窓口
障害対応受付窓口とは、機器の故障や何らかのトラブルが発生した場合に、保守部門に連絡し修理やメンテナンスの調整をする仕事です。
問い合わせはメールや電話で届き、保守部門とのやり取りも直接顔を合わせずとも可能です。そのため、障害対応受付窓口の業務を行う場合には在宅でも働けます。
障害対応受付窓口の業務では、クライアント企業から聞き取ったトラブルや不具合の状況を正確に保守部門に伝えなければなりません。また、システムにトラブルが発生するとクライアント企業の業務が止まってしまうこともあるため、迅速な対応が求められます。素早く、しかし正しく状況を聞き取り、伝えられるスキルが必要です。
4. 在宅勤務のインフラエンジニアに求められるスキル
4-1. ネットワークとサーバーのスキル
インフラエンジニアとしてITインフラの設計・構築・保守運用を行うためには、ネットワークとサーバーのスキルが欠かせません。各種機器のスペックを考慮し適切なマシンを選ぶスキルや、必要なソフトウェアのインストール、IPアドレスに関する知識などが求められます。
出勤して他のエンジニアと一緒に働く場合、わからないことがあれば先輩エンジニアに質問しながら仕事を進めることもできます。しかし在宅でインフラエンジニアとして働く場合、現場で働くときほど気軽に質問できないケースがほとんどです。そのため、大きな問題がなければ1人でも仕事を進められる程度のスキルが求められます。
4-2. クラウドスキル
在宅でインフラエンジニアとして働く場合、クラウド上にインフラを構築するケースは多くあります。そのため、クラウド上にサーバーを構築し、監視やバックアップの設定を行うスキルは欠かせません。
世界3大クラウドサービスと呼ばれるAWS・Azure・GCPの知識やスキルを身につけておくと、在宅で取り組める業務の幅が広がるでしょう。特に世界シェア1位のAWSを扱うスキルは、在宅でインフラエンジニアとして働くなら必須です。
クラウドエンジニアとして企業で働いた経験があれば、在宅インフラエンジニアの仕事に応募する際のアピールポイントとして活用できます。
4-3. セキュリティスキル
サーバーやネットワークへの攻撃による情報漏洩やデータの改ざんなどを防ぐため、インフラエンジニアにはセキュリティのスキルも求められます。各セキュリティ製品の役割や特徴を把握するとともに、設定方法を知っておくと良いでしょう。
特に在宅で働く場合、自宅からインターネット回線を通じて社内のネットワークやクライアント企業、クラウドサービスなどに接続する必要があります。そのため、自宅で利用するネットワークのセキュリティにも通常以上に注意しなければなりません。
4-4. プログラミングスキル
プログラミングスキルがあると、インフラエンジニアとしての仕事の幅が広がります。プログラミングの知識があると、どのようなインフラが整っているのがシステムにとって良い環境なのか判断できます。
OSを操作するためのShellや、インフラ監視システムを構築できるRubyといった言語を身につけておくと、自身の仕事を効率化できるのです。また、大量のデータを処理する「バッチ処理」をインフラエンジニアが担当することもあります。バッチ処理にも、プログラミングスキルが必要です。
5. インフラエンジニア在宅案件の探し方
5-1. クラウドソーシングの活用
クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい企業と仕事を探している人をマッチングするサービスのことです。クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどが代用的な例です。
副業やフリーランスとして働ける仕事を探している人は、まずクラウドソーシングを活用してみると良いでしょう。多くの案件が掲載されているため、自分のスキルに合った案件に応募してください。中には、未経験でもクラウドエンジニアとしての仕事ができる案件もあります。
5-2. 転職エージェントの活用
転職エージェントとは、自分のスキルや希望に合った求人を紹介してくれるサービスです。これまでの経歴や身につけたスキル、持っている資格とともに、希望の年収や労働条件を伝えておくと、それに合った企業を紹介してもらえます。在宅インフラエンジニアとして働きたいのであれば、その旨をエージェントに伝えておきましょう。
また、転職エージェントを利用した場合、面接の設定や給与交渉もエージェントに依頼できます。時間がない中で転職活動を進めるには便利なサービスだといえるでしょう。
プログラマカレッジは、未経験者向けにスキルを身につけてITエンジニアを目指せる完全無料の転職エージェントです。
5-3. フリーランスエージェントの活用
出典:Proengineer
フリーランスエージェントは、転職エージェントと同様に自分のスキルや希望に合った仕事を紹介してもらえるサービスです。転職エージェントが主に企業に転職したい人への仕事を紹介しているのに対して、フリーランスエージェントはその名の通りフリーランス向けの案件を紹介しています。
フリーランスエージェントを活用すると、面談への同席や履歴書・職務経歴書の添削といったサポートを受けながら案件探しを進められる点がメリットです。
以下のページでは実際にインフラ系のリモートワーク案件を紹介しています。どんな案件があるのか気になる方は、以下のリンクから確認してください。
プロエンジニアリモート案件
6. 在宅案件を探す際の注意点
インフラエンジニアの在宅案件を探す際の注意点は以下の通りです。
6-1. フルリモート案件は人気が高い
インフラエンジニアに限ったことではありませんが、フルリモートの案件は人気が高い傾向があります。自宅で働けるのが魅力的だという点に加えて、住んでいる場所を限定せず仕事ができるため、日本全国や時には海外からも応募者が集まるのです。
企業は、応募者の中からよりよい人材を選びます。応募者が多い場合、その中でも特に一緒に働きたいと思われるような理由がなければ採用されません。人気が高い分採用のハードルが高い点は、事前に知っておく必要があるでしょう。
6-2. 出社が必要なこともある
基本的には在宅で働ける仕事であっても、状況によっては出社が必要です。週に数回程度の出社を求める企業もありますし、ランダムに出社を必要とする企業もあります。特にオンプレミスでインフラを構築する場合には、出社が欠かせません。保守業務の場合にも、機器の修理などのため出社しなければならないケースもあります。
また、未経験者の場合、入社してしばらくは出社して他のインフラエンジニアと一緒に働きながら仕事を覚えるケースも珍しくありません。
6-3. タスク管理、自己管理を徹底する
在宅で働く場合、オフィスで働くのと異なり周囲に人の目がありません。そのためサボろうと思えばサボれてしまう環境です。しかし、リモートでは勤務時間ではなく完了させた仕事で評価が決まります。人の目がないからとサボっていると、自分の評価は下がってしまうでしょう。そのため、タスクに優先順位をつけ期日までに仕事が終わるようスケジューリングするタスク管理と、それを実行する自己管理が欠かせません。
自己管理は、セキュリティ面のリスクを減らすためにも重要です。インフラエンジニアの仕事ではクライアントの機密情報を扱うため、働く際のセキュリティを重視する必要があります。セキュリティのアップデートをこまめに実施するとともに、外出先で公衆Wi-Fiに接続しないといった基本的なセキュリティ対策を実施しましょう。
6-4. コミュニケーションの取り方を工夫する
在宅で働いていると、意識しなければコミュニケーション不足が発生しがちです。情報共有や意思疎通が不足したまま仕事を進めると、トラブルが発生する可能性が高まります。少しでも相手の意図がわからない場合には必ず確認するなど、こまめなコミュニケーションを心がけてください。
また、テキストのみのコミュニケーションでは、相手の意図が読み取りにくくお互いネガティブな方向に考えてしまうのも珍しいことではありません。できれば、ビデオチャットツールなどを利用し、顔が見える状態で話ができると良いでしょう。
7. 未経験から在宅勤務可能なインフラエンジニアを目指すには?
7-1. ネットワークやサーバーの知識やスキルを身につける
まずは、インフラエンジニアに必要な知識やスキルを身につけましょう。書籍や学習サイトなどを使って、ネットワークやサーバーの基礎知識を学びます。インフラに関する知識がまったくない場合には、ネットワークから学習するのがおすすめです。ネットワークはすべての通信に関わる分野であるため、先に学習しておくことでどのように通信が行われているのかイメージしやすくなります。
従来はサーバーやネットワークの学習には実機が必要であったため、インフラは独学ではスキルを身につけにくい分野とされていました。しかし現在では、クラウドを利用してインフラの構築が可能です。ある程度知識を身につけたら、実際に自分で構築を実践してみましょう。
7-2. インフラエンジニアに必要な資格取得を目指す
インフラエンジニアを目指すなら、資格を取得するのもおすすめです。資格があれば、一定程度の知識やスキルがあることを客観的に示せます。採用の際には、資格取得に向けて目標を立て努力できる人物であることも、評価の対象となります。
また、資格取得のために学習を進める中で、必要な知識を体系的・網羅的に効率良く学べるのも資格取得のメリットです。
おすすめの資格は、基本情報技術者試験です。基本情報技術者試験とは、ITエンジニアの登竜門とも呼ばれる試験で、IT全般の基礎的な知識が問われます。
未経験者には、CCNAやLPIC/LinuCもおすすめです。CCNAは、Cisco製品に関する知識を問う試験です。Cisco製品はネットワーク関連の業務でよく使われます。LPIC/LinuCは、Linuxの知識を問う試験です。Linuxは、サーバーを構築する際によく使われるOSです。
参考記事:
LPICとはどんな資格?難易度から勉強方法までまとめました|プロエンジニア
プログラマカレッジなら、資格取得を目指しながらインフラエンジニアへの就活支援も出来ますよ!
クラウドエンジニアにおすすめの資格は、次の記事で紹介しています。
参考記事:
クラウドエンジニアに必要なスキルを網羅できる!おすすめ資格12選|プロエンジニア
7-3. インフラエンジニアとしての経験を積む
在宅でインフラエンジニアとして働くためには、就職先としてリモートワークを導入している企業を選びましょう。どんなにスキルや経験を重ねても、リモートワークを導入していない企業では、在宅で働ける可能性は低いといえます。
また、周囲の人の信頼を得ることも重要です。「この人なら在宅で仕事を任せても大丈夫」と思われる人材にならなければなかなかリモートワークの許可は出ません。
7-4. システムの運用業務に就く
未経験でも在宅で働きやすいのが、システムの運用業務です。システムの運用業務は定型の作業や、業務に応じた設定の変更を行います。定型作業が多いため、未経験者でも在宅で働きやすいのです。
構築を行うインフラエンジニアとは少し業務内容が異なりますが、在宅で働きたい場合には選択肢として知っておくとよいでしょう。
8. 未経験からインフラエンジニアを目指すならプログラマカレッジへ
インフラエンジニアエンジニアを目指すための学習は、独学でも可能です。独学の場合、自分のペースで学習を進められますし、費用もそれほどかかりません。ただし、独学では途中でわからないことがあった時に問題を解決できず、そのまま挫折する可能性があります。
独学で必要なスキルを身につけられるか不安な方は、スクールの利用がおすすめです。スクールは通常料金がかかりますが、プログラマカレッジなら無料で受講できます。さらに、就職サポートも実施しているため、履歴書の添削や面接対策といったサポートを受けながら転職活動が可能です。
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